ノニジュースによるAGEs生成抑制効果の検討

第142年会 ©日本薬学会 第142年会(名古屋 2022年3月25〜28日)

臨床試験・論文発表

ノニジュースによるAGEs生成抑制効果の検討


○深澤 実春1、河野 一郎2、西岡 佐余子3、浅野 哲1,4、高石 雅樹1
1. 国際医療福祉大学薬学部、2. マルルー株式会社、3. パルマキオン企画、4.内閣府・食品安全委員会

【目的】

 終末糖化産物(AGEs)は、生体内のタンパク質とグルコースなどの還元糖との糖化反応によって生成する。血糖値の急激な上昇の繰り返しや慢性的な高血糖状態においてAGEsの生成は亢進し、糖尿病や高血圧など様々な生活習慣病の原因となると考えられている。コラーゲンは体内で最も多いタンパク質の一つで代謝回転が非常に遅く、AGE化しやすいタンパク質と言われている。そして、コラーゲンがAGE化すると、皮膚のたるみやシワ、動脈硬化、骨粗鬆症等のリスクが上昇する可能性がある。一方、ノニジュースはポリネシア原産で、南太平洋の熱帯地域で広く栽培されており、民間伝承的にあらゆる疾患に"クスリ"として、または健康食品として使用されている。
 そこで本研究では、糖とタンパク質の加熱によるAGEs生成に対するノニジュースのAGEs生成抑制作用を検討した。

【方法】

①0.1mol/Lグルコースとウシ血清アルブミン(BSA)25mg/mLに 0.1, 0.3, 1.0%ノニジュース(ロイヤルタヒチ・ノニピュア)を無菌条件下で60℃、40時間反応させ、AGEs特異的な蛍光強度(励起波長370nm、蛍光波長440nm)を測定した。

②0.2mol/LグルコースとI型コラーゲン0.6mg/mL、0.1, 0.3, 1.0%ノニジュースをリン酸緩衝液に加え、無菌条件下で60℃、10日間反応させ、AGEs特異的な蛍光強度(励起波長370nm、蛍光波長440nm)を測定した。

【結果・考察】

①グルコースとBSAを高温で長時間反応させることにより、蛍光強度の上昇を指標としたAGEsの生成が認められた。そして、AGEs生成に由来した蛍光強度が、同時に添加ノニジュースの濃度に依存して低下した。

②グルコースとI型コラーゲンを高温で長期間反応させることにより、蛍光強度の上昇を指標としたAGEsの生成が認められた。そして、AGEs生成に由来した蛍光強度が、同時に添加したノニジュースの濃度に依存して低下した。

 以上の結果から、ノニジュースにはAGEs生成抑制効果があると示唆された。

基調講演

演題 利益相反の開示 目的 AGEs ノニジュース ノニジュースの成分 試薬 1.ノニジュースによるアルブミン由来AGEs生成抑制効果 グラフ 1の結論 2.ノニジュースによるコラーゲン由来AGEs生成抑制効果 グラフ2 2の結論 まとめ1 まとめ2