尼僧から学ぶ、精進料理と約束の重みがもたらす豊かな人生
イアオラナ〜♪(※1)
日本のノニジュース・パイオニアの河野一郎です。いつもお世話になっております。
僕は大阪生まれ、大阪育ちで大学卒業後も大阪を拠点にずっと仕事して来ました。その間仕事で何度も海外に行ったりしましたが、僕の認識ではホームグラウンドは、ずっと大阪。マインドも今でも大阪人で生きています。35歳になって東京へ出てきて起業し、その頃に朝のNHK連続テレビ小説「ほんまもん」というのがやっていたのだと思う。そのドラマの主人公(演技:池脇千鶴さん)が料理人の喜びに目覚め、精進料理を学んで真の料理の心を体得していくという物語。
その精進料理を主人公に教えたお寺の住職(演技:野際陽子さん)は、実在の人物で、村瀬明道尼さんです。
その方の半生をドラマがきっかけとなって世間で注目されるようになり、その生き様にフォーカスされて別のテレビ番組で紹介されてもいました。
しばらくして、ご住職が本を著したのですね、タイトルは「ほんまもんでいきなはれ」です。なかなか波瀾万丈の生き様で苦難を克服して行かれたことが書かれてありました。僕の経験からも言えることですが、苦難を乗り越えて克服していく過程って、本当に学びが多く、必要なことだったのだなぁ…と振り返ってみると思います。渦中には、なかなかそう思えることは少ないのが現実ですけどね。今は、なるべく困難に遭遇したら、これはきっと学びのチャンスだ!と前向きに捉えるように心がけています。
さて、その頃に大阪に住む実家の母とこのご住職の話をする機会があり、東京と大阪と離れて暮らしているので、なかなか親孝行する機会もありませんでしたので、母と一緒にご住職がご存命の間に精進料理、中でも、天下一と噂のごま豆腐を月心寺のある滋賀県大津へと食べに行こうと誘いました。予約をすれば、どうやら食べられるようだったのです。一度は、是非お会いしてみたかった方ですしね。それに母も若い頃、料理人だったこともありましたし、何より僕が子供の頃によく彼女特製のごま豆腐をよく作ってくれていたので、天下一のごま豆腐を母と一緒に食べてみたかったのです。
ご高齢のご住職が朝3時に起きて、当日のごま豆腐の注文に合わせて、ご住職が直々に胡麻を擦るところから朝が始まるそうなのです。
母と日程を調整して、関西への仕事の出張も予定に入れながら工夫をし、いよいよ月心寺に予約の電話を入れます。
この電話の時に、僕は、ご住職との会話ですごいことを経験します。
電話をかけると、ご住職に代わってもらい、希望の日時をお伝えし、予約をしようとしました。
その時の彼女の返事は、次のようなものでした。
ご住職「●月●日、大丈夫です。何名様ですか?」
僕「2名です」
ご住職「わかりました。お名前を教えてください」
僕「河野一郎です」
ご住職「河野一郎さんですね」
僕「はい」
ご住職「それでは、河野さん、●月●日●時に来てください。お約束しました。」
僕「よろしくお願いします」
…以上なのです。
僕は、えっ!これで予約完了?電話番号とか聞かなくても大丈夫なんですか?と電話を切った後に思いました。
僕の中にあった常識では、電話番号などの連絡先を飲食店へ予約するときは必須だと思っていたのです。きっと皆さんも同じだと思います。
けど、高僧の村瀬明道尼は違いました。「お約束しました」の意味の重みが電話を切った後にずっしりとのしかかって来たのです。そういえば、飲食店のように「ご予約、承りました」とは言わなかった。「お約束しました」とおっしゃったのでした。
僕は、この時に、約束という言葉の意味を初めて考え、認識しなおすことになったのです。約束って、いろんな約束があります。人との約束、自分との約束。他にもあるかと思います。
精選版・日本国語大辞典によりますと、
やく-そく【約束】
①くくりたばねること。つかねること。
②ある物事に関してあらかじめ取り決め、将来それを変えないことを互いに誓うこと。契約。約定
③ある社会、領域などで、ある事柄に関して守るように定めること。また、そのきまり。規則。規定。
④前から定まっている運命。宿命。約束事。
⑤芸娼妓を揚げることを予約すること。特に物日に買切りにすると前もって取り決めておくこと。日柄約束。
..と、あります。
辞書にも、重たいことが書かれていますように、僕は、その意味の重みを認識していくようになりました。
ご住職の話に戻りますが、電話を切り終えて、母に決定の旨を伝えたりして時間経過と共に、改めて僕はこの約束に対してどんなことがあっても絶対にお寺に行こう。約束したんだから、と胸に誓ったのでありました。たった1~2分の電話でご住職との会話で学ばせてもらえて、本当にありがたかったなぁ…と思っています。
約束って言葉を耳にしたり、口にした時、僕は、村瀬明道尼さんとの会話を思い出します。
さてさて、当初の目的であった肝心の母と一緒の当日の精進料理、ごま豆腐でございますが、もう本当に今でも脳内で味が蘇るくらい美味しかったし、お寺内からみられるお庭の美しさ、母との会話に舌鼓を打ったのは言うまでもないです。
今、思い出しても幸せなひとときだったなぁ…と今回、記事にさせていただきました。
と言うことで、僕は毎日快適に過ごせて、毎日ゴキゲンなのでありました(笑)
日々の暮らしの中にちょっとした良い習慣を積み重ねて行くことで、やがては叶えたいことすら成し遂げてしまうことになっていく。
質の高い人生を過ごすことは、何にも代えられない幸せだと思うのです。
豊かで充実した暮らし、楽園生活(QUALITY OF LIFE)
まるる〜♪(※2)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
(※1)イアオラナ〜:タヒチ語で、おはよう、こんにちは、こんばんはの意味。→「 IA’ORANA」
(※2)マルル〜:タヒチ語で、ありがとうございますの意味。→「MA URU’URU♪」